建設業許可の更新は毎年必要か。という疑問を抱えている方も多いでしょう。
結論、更新は毎年必要ではありません。更新は5年に1度必要となります。
毎年必要なのは決算変更届になります。
この記事では、建設業許可の更新と決算変更届の違いについて解説し、各手続きの重要性を理解していただくための情報を提供します。
建設業許可の更新のについての全体像は下記記事で解説しております。
「建設業許可更新の手続き・注意点まるわかり」
目次
建設業許可の更新とは
建設業許可の更新は、建設業者が事業を継続するために必要な手続きです。
建設業許可の有効期限は許可取得から5年間となっているため、許可を取得した企業は5年に1度、更新手続きを行わなければなりません。
更新を怠ると、建設業許可が失効し、事業が停止する可能性があるため注意が必要です。
ですので許可業者としての業務継続のために、5年ごとの建設業許可の更新手続きが必要となります。
ちなみに、許可の期限が土日祝だった場合でも期限日は変わりません。
この場合は直前の行政機関の営業日が実質的な期限日となりますので注意が必要です。
決算変更届とは
決算変更届とは、毎年の決算の内容や工事実績を報告するための届出です。
「変更届」とあるため勘違いしやすいのですが、役員や称号が変更になった場合に都度変更が必要となる各種の変更届とは違い、毎年必ず決算後に届出が必要になるため注意が必要です。
決算から4か月以内に提出が必要となり、これを怠ると建設業許可の更新が行えないなど事業に大きな影響があります。
建設業許可の更新と決算変更届の違い
建設業許可の更新と決算変更届は、目的や手続きのタイミングが異なります。
それぞれ違いを理解し、適切な手続きを行うことが重要です。
ざっくりとしたそれぞれの目的は下記となります。
目的
- 決算変更届
毎年の決算や工事の実績を報告するための手続き - 建設業許可の更新
引き続き建設業許可業者として許可を継続するための手続き
手続きのタイミング
毎年の決算から4か月以内に必要
建設業の許可を受けてから5年の有効期限が切れるまで
毎年必要なのは「決算変更届」であり、「更新」は5年に1度で大丈夫です。
更新と決算変更届を怠った場合のリスク
建設業許可の更新や決算変更届を怠った場合、営業許可の失効や税務上の問題が発生するリスクがあります。
営業許可が失効すれば事業の停止を余儀なくされ、税務上の問題は滞納金や罰則の対象となり得るため、適切な手続きを行うことが必要です。
更新を怠った場合
- 無許可営業のリスク
建設業許可は、許可が失効した後に更新手続きを行わなければ、無許可状態となります。無許可で営業を続けると、法律違反となり、行政処分や罰則の対象となります。 - 罰則・罰金のリスク
無許可で許可が必要な工事を請け負うことは、建設業法違反となります。
これに対しては3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されることがあります。 - 公共工事や500万円以上の工事の受注が不可能
建設業許可が失効すると、「経営事項審査が必要である公共工事」や「500万円以上の工事」を請け負うことができません。
ともに建設業許可が必須であるためです。これにより、売上が大幅に減少する恐れがあります。 - 許可再取得に時間と費用がかかる
一度許可が失効した場合、新規の許可申請手続きを最初から行う必要があります。新規の許可取得は更新よりも時間と費用がかかります。
また許可を新規取得となった場合、許可番号も変わるため情報のアップデートなどの手間も発生します。
決算変更届を怠った場合
- 建設業許可の更新や変更の際に支障が生じる
建設業許可は5年ごとに更新が必要と前述しましたが、
決算変更届が提出されていないと、許可更新の際に手続きが進められない場合があります。
また、経営事項審査(経審)を受ける際も、決算変更届の未提出は不備となり、審査が進まない可能性があります。 - 行政からの指導や罰則
決算変更届の未提出は、建設業法に違反する行為とみなされます。
行政から指導や是正の要求を受ける可能性があります。 - 公共工事の入札参加資格に影響
公共工事の入札に参加するには、経営事項審査を受ける必要がありますが、決算変更届が未提出の場合、審査を受けられないため、入札に参加できなくなります。
これにより、公共工事の受注機会を失うことがあります。
建設業許可の更新と決算変更届を確実に実施するために
更新や決算変更届の手続きを確実に実施するためには、それぞれの目的やタイミングを理解することが重要です。
これらを理解したうえで、必要書類の収集や手続きが完了するまでのスケジュールを検討する必要があります。
特にスケジュール管理を間違えてしまうと許可の執行に影響が出てしまうため注意が必要です。
専門的な知識が必要なうえに手続きの時期は手間がとられるため本業にも少なからず影響が出ると思います。
自社で行うのが大変な場合は、専門家である行政書士に管理から手続きまでをトータルサポートしてもらう方が時間や労力を節約でき、手続きをスムーズに進めることができます。