建設業許可は経営が5年未満でも取れる!取得のポイントを解説

公開日2024年11月11日
更新日2025年01月03日

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経営が5年未満でも建設業許可は取得可能です。
本記事では5年未満の経営経験者が許可を取得するためのコツを詳しく解説します。
まず、建設業許可の取得に求められる条件を把握することが大切です。
条件の中でも5年未満のお話が出てくるものを掘り下げて解説します。

また、建設業許可は各都道府県で要件のポイントが異なるケースがあります。
参考として岡山県で建設業許可を取得するポイントを例としてこちらの記事で解説しておりますのでご参考にしてください。

建設業許可の取得に求められる6つの要件

建設業許可を取得するためには、大きく分けると以下の6つの要件を満たす必要があります。

  • 経営業務の管理責任者
  • 専任技術者
  • 財産的基礎
  • 誠実性
  • 欠格要件に該当しないこと
  • 社会保険への加入

この中で5年の経験のお話しが頻繁に出てくるのが経営業務の管理責任者です。

経営業務の管理責任者について

建設業許可の経営業務管理責任者は、建設業の経営に関する一定の経験を有する者を指します。
全体像の詳細はこちらの記事で解説しておりますので、この記事ではその要件を5年未満の経験で満たす内容を解説します。

経営業務の管理者責任者の経験に関する規定

経験については以下の5つが主な要件となります。
いずれかを満たしていれば問題ありません。

  1. 建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する者
  2. 建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る)として5年以上経営業務を管理した経験を有する者
  3. 建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として6年以上経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験を有する者
  4. 建設業に関し2年以上役員等としての経験を有し、かつ、5年以上役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位にある者(財務管理、労務管理又は業務運営を担当する者に限る)としての経験を有する者
  5. 5年以上役員等としての経験を有し、かつ、建設業に関し、2年以上役員等としての経験を有する者

これらの中で経営が5年未満なので許可が取れないのでは?
となるのはおそらく①があるからでしょう。
これは建設業法施工規則 第7条 第1項に記されている内容です。
わかりづらいのですが、具体的には以下のどれかの経験ということになります。

  • 建設業を営業していた法人の常勤の役員(取締役・理事等)
  • 個人事業主
  • 令3条の使用人(支店長等従たる営業所の代表者、個人事業主の支配人等)

ですので、必ずしも自身の会社や、個人事業主として事業を開始した経験が5年以上必要というわけではないのです。

以下で具体例を挙げて解説します。

経営が5年未満でも建設業許可を取得できる具体例

例えば株式会社を設立してまだ3年しか経っていないが建設業許可は取れるのか?
という場合は自身の会社で3年の経験はあるので、後の2年分を他で賄えば良いわけです。

  • 個人事業主で建設業を営んでいた経験がある。
  • 前職の建設会社で役員などの経験がある。

など、これらの期間が2年以上あれば合算して5年の経験となるため、経営業務の管理責任者の要件は満たせることになります。

今までの過去の経験を合わせても5年未満の場合は、残念ながら経営業務の管理責任者となるのは難しいです。
ですのでその際は、該当要件を満たす人材を探し役員になってもらう必要があります。

要件を満たしていることの証明

要件を満たしているかは、申請する際にその内容を書面で証明する必要があります。

経営経験について

法人の常勤取締役の場合 「履歴事項全部証明書」で該当の期間に役員であったかを確認
個人事業主の場合 個人事業主の際の「確定申告書」(証明する経験年数分)
執行役員等の場合 辞令、職制図、定款執行役員規定など

建設業での経営経験について

許可業者の場合 経営経験を証明する期間に建設業許可業者であったことを証明するための書類として「建設業許可証」など
無許可業者の場合 契約書、注文書
など

前述で挙げた具体例で解説します。
現在の会社での経験と、個人事業主時代の経験を証明する場合は下記が必要になります。

現在の会社用
  • 履歴事項全部証明書
  • 3年分の経験を証明できる契約書や注文書と請書
個人事業主時代用
  • 確定申告書2期分
  • 2年分の経験を証明できる契約書や注文書と請書

要件証明時の注意点

証明をするにあたり、注意点があるので事前に確認しておきましょう。

  • 前職の役員などの経験を証明する場合、非常勤での経験だった場合は経験年数として認められない可能性がある。
  • 前職以外から給与所得がある場合は、経験年数として認められない可能性がある。
  • 前職での役員等の経験で証明する場合は、前職から契約書などの書類をもらう必要があるため、その辺りの調整が可能か。

など。

まとめ

経営が5年未満での建設業許可の取得について解説しました。
取得自体は経営が5年未満でも問題ないので、特に経営業務の管理責任者の要件をしっかりと確認して、
ご自身で満たせるか、難しい場合は要件を満たせる人を集めることができるか検討しましょう。

書類収集や要件を満たしているかの確認はそれなりに労力と時間がかかります。
建設業許可取得を円滑に進めるためには専門家のアドバイスが必要な場合もありますので、
行政書士に適切なサポートを求めることも検討しましょう。


この記事を書いた人
行政書士 山本祐輔

リガース行政書士事務所 代表
山本 祐輔

行政書士/宅地建物取引士/上級ウェブ解析士/2級FP技能士

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